コナジラミの標本作成方法 ▶薬品保存瓶

薬品容器

調整した薬品や少量小分けした薬品を保存する容器について。

使用頻度が低い場合は適当な容器に移して専用のスポイトを使えば良いと思うが、 頻繁に作業する場合はスポイト瓶が便利である。 薬品と素材の組み合わせによっては使えないので注意すること。 10% KOHはプラスチック製(ポリプロピレンやポリエチレン等)の容器を使う。 カナダバルサムをキシレンで調整したものはバルサム瓶で保存する。 その他はガラス製のスポイト瓶に保存するが、スポイトゴムはシリコン製にする(※1)。

※1 シリコン製のスポイトゴムは未テスト(ずっと自分のはシリコン製だと思ってた。 これから購入します...)。 ※2 キシレンは資料によれば天然ゴム、シリコンゴム共にダメそうなのだけれど、 いまのところ天然ゴム製のスポイトゴムで5年くらい 使用しているが問題なさそうである。 ガス中では大丈夫なのかも知れない。

※スポイド? マルエムのサイトではスポイドという用語が使われているが、 スポイトが一般的なようなので、 商品名ではスポイドを使うけど 一般名詞としてはスポイトの方を使うことにするよ。

参考資料

スポイト瓶(ガラス製)

通常、 本体はソーダガラス製(硼珪酸ガラスのものもある)、 ガラススポイドが硼珪酸ガラス、 スポイトゴムの素材は天然ゴムとシリコンゴムの2種類あるが、 シリコンゴムの方を選ぶ(※1)。

私が使用しているのはマルエム製(たぶん)の S-10(10ml)とS-30(30ml)の角型スポイト瓶。 スポイトゴムが、天然ゴムとシリコンゴムの2種類あるので、 購入時に間違えないようにする。

スポイト瓶 マルエムS-30とS-10

スポイト瓶 マルエムS-30とS-10

保存可能な薬品は 精製水、70%エタノール、無水エタノール、氷酢酸、 オキシドール、アンモニア水、 酸性フクシン染色液、クローブオイル、キシレン(※2)。 キシレンは耐薬品性の資料を見るとダメみたいだけどいまのところ問題ない。 倒したりして液体が直接ゴムに触れるとだめかもしれない。 カナダバルサムはキシレンが少しずつ抜けていくので不適。

瓶の色は茶色いのと透明なのがある。 紫外線からの影響を少なくするために茶色の瓶を使ったほうがいいのかも知れない。

30ml瓶のスポイトは1滴約50µl、  10ml瓶のスポイトは1滴約20µl。

スポイト瓶(プラスチック製)

10% KOHの容器にはプラスチック(ポリプロピレンかポリエチレン)製の容器を使う。 私は現在 スポイト付き投薬瓶 というのを使っている(アズワンブランドで売ってるがメーカーは不明)。 乳幼児に薬を飲ませるためのものらしい。 他には 東京硝子器械 スポイトびん PEが使えるかも知れない(未テスト)。

投薬瓶

投薬瓶

投薬便の本体はポリプロピレン、 キャップとスポイトはポリエチレン製。 30mlと60mlのものがある。 スポイトの先端が丸くなっている。 先端を改造しようと試みてみたがあまりうまくいってない。

他にはマルエムのエムPPボトル+PPSスポイドが使えそうだが 小売はされていないようだ。

バルサム瓶

カナダバルサムをキシレンに溶かしたものを保存しておく瓶。 輪っか付きと輪っかなしのものがある。 輪っかはおそらく、棒についた余分なバルサムをこそぎ落とすためのものじゃないかと思う。私は輪っかなしのものを使っている。 中の棒も使いにくいので小さなスポイトを落とし込んでいる。 すり合わせ部分にはワセリンを塗って使っている。

バルサム瓶

バルサム瓶

現在行っている調整方法: 購入したバルサムはアメ状になってるので バルサム瓶についていたガラス棒や針金とかで掻き取って バルサム瓶に移し キシレンを投入し棒も落とし込んで蓋をして 溶けるまで暫く待つ。 溶けたらキシレンを追加して濃度を調整する。 作る量はかなり少なく写真ぐらいの量にしておかないと、 スポイトにまとわりついて困ったことになる。 輪っかがあればもう少し多くできるのかも知れない。

中のスポイトは0.5mlのポリエチレン製スポイトの先端に ダイソーで購入した注射器の針の先端をカットしたものを溶着した。 現在テスト中。