コナジラミの標本作成方法 ▶作業容器

作業容器

検体保存容器、軟化容器、脱ロウ容器、染色皿、 解剖皿、選別皿など。

マイクロチューブ (micro tube)

別名エッペンドルフ。 採集したコナジラミを長期間保存する場合、 葉っぱから剥がして70%エタノールに漬けて保存する。 その容器としてマイクロチューブが適している。 他にも加熱処理する場合にもマイクロチューブを使用している。 なければ適当な容器で良いし、すぐに処理する場合はなくて良い。 素材はポリプロピレン製かガラス製。 アルコールが飛ばないようフタの気密性が重要。 フタはねじ込み式とキャップ式があるが、 Oリングがついたねじ込み式が一番保存性が良さそうである。 キャップ式は安い。 キャップ式の方をチャック付きポリエチレン袋に入れて 4年以上保存にしているが問題は起きていない。 ただ何回も開け閉めを繰り返すと緩んでくるかもしれない。

マイクロチューブ

マイクロチューブ

写真左側は1.5mlでフタがねじ込み式、Oリングは無く、 フタはたぶんポリエチレン製。 Amazonで500個650円で売っていたので即ポチったが後で見ると6,500になっていたので やはり値段の設定を一桁間違えていたもよう。 右側は2mlでフタがキャップ式。500個で2,000円ぐらい。

るつぼ (crucible)

文献ではKOH処理で使う容器の一つとして挙げられている。 使用したことが無いので詳しくはわからないが、 不透明なので透過光では観察できない。 深いので実体顕微鏡下での作業はやりにくそうだ。

試験管 (test tube)

文献でKOH処理容器の一つとして挙げられている。 硼珪酸ガラス製。 ソーダガラスよりはマシみたいだが やはりKOHに侵されるようだ。 深いので実体顕微鏡下での作業は不可能。 始めた頃よくわからずに購入したが現在は使っていない。

丸底ドラム

本体と蓋はポリプロピレン製、 パッキンは記載がなかったが発泡ポリエチレン製だと思う。 私は現在ほとんどの工程(軟化、脱脂&脱ロウ、染色、漂白、脱水) をこの容器内で行っているが、 後で述べる染色皿に移行するかも知れない。

丸底ドラム5ml

丸底ドラム5ml

メリットとしては、

欠点は

注1: キシレンはポリプロピレンで使えないような情報もあるが、 使用時間が比較的短いからか今のところ問題はなさそうである。

私は東急ハンズで 購入したが類似品も出ているようだ。 容量は5mlのものを使用しているが深すぎて使いにくい。 AliExpressで3mlのものを売っていたので発注してみた。

時計皿 (watch glass)

ソーダガラス製の窪んだお皿。 直径30mm、深さが2mmくらいのものが 10枚1200円ぐらいで売ってるのでかなり安い。 単体ではぐらぐらして安定しないので 丸い容器の蓋等の上に置いて使うと良い。 私は一時期プラスチックケースに貼り付けて使っていた(下の写真奥)が、 血液反応板と同じように液体が周りに広がるので いろいろと使いにくい。 これはテフロンテープを貼ると具合が良くなるかも知れない (ただしテフロンテープは高価)。

時計皿

時計皿

写真奥がケースに貼り付けたもの。

テフロンテープ貼り血液反応板 (concave slide glass?)

血液反応板は 大きさ 72 x 26 x 5 mm、 直径22mm、深さ1.6mmの窪みがあるソーダガラス製の板。 1枚600円ぐらい。 単体では使い物にならなかった。 ガラスは撥水性および撥油性が低いので 窪みも浅いので液体が簡単に縁まで登り、 フタとの間に液体が広がってしまう。 そこで 撥水性を良くするためにテフロンテープ(Scotch #5490) 東急ハンズを貼ってみたら、 ものすごく使い勝手が良くなった。

長所

欠点

現在選別皿としてクローブオイルにつける前に検体を移動して使っている。 染色皿の方が良いかも知れないので乗り換えるかも知れない。

※血液反応板という用語は特殊な感じがするので 語源を調べてみたがわからなかった。 英語では"cocave slide glass"で検索すると似たようなものが出てくる。

血液反応板

血液反応板

写真左奥は無加工、右手前はテフロンテープ貼り。 赤い液体は70%エタノール2滴と染色液1滴で120µlくらい。

染色皿 (staining block / embryo dish)

窪みがあるガラス製のブロック。 フタとして硝子板がついてくる。 "staining block"あるいは"embryo dish"で検索すると出てくる。 日本語での名称はよくわからないので とりあえず染色皿と呼んでおく。 ソーダガラスはKOHに若干侵されるので選択肢から外していたが、 使っておられる方もいるようなので試してみようかと思う。 もし使えるならすべての処理を この一つの容器で行えそう。

ディセクトディッシュ

以前 ホールオベクトグラスとして流通していたものが製造中止となり 現在有限会社BULL精密から ディセクトディッシュ という名前で販売されている。 大きさ 75 x 45 x 8 mm、穴 直径 35mm 深さ 4 mm、 テンパックス製。 現バージョンはフタがついてくる。 BULLが直販されていたが六本脚からも購入可能。 成虫を引きずり出すのに使おうかと思って購入したが まだ試していない。

ディセクトディッシュ

ディセクトディッシュ